寮の部屋割は原則として一c二年生が二人部屋c三c四年生が一人部屋ということになっていた。二人部屋は六畳間をもう少し細長くしたくらいの広さでcつきあたりの壁にアルミ枠の窓がついていてc窓の前に背中あわせに勉強できるように机と椅子がセットされている。入口の左手に鉄製の二段ベッドがある。家具はどれも極端なくらい簡潔でがっしりとしたものだった。机とベッドの他にはロッカーがふたつc小さなコーヒーテーブルがひとつcそれに作りつけの棚があった。どう好意的に見ても詩的な空間とは言えなかった。大抵の部屋の棚にはトランジスタラジオとヘアドライヤーと電気ポットと電熱器とインスタントコーヒーとティーバッグと角砂糖とインスタントラーメンを作るための鍋と簡単な食器がいくつか並んでいる。しっくいの壁には「平凡パンチ」のビンナップかcどこかからはがしてきたポルノ映画のポスターが貼ってある。中には冗談で豚の交尾の写真を貼っているものもいたがcそういうのは例外中の例外でc殆んど部屋の壁に貼ってあるのは裸の女か若い女性歌手か女優の写真だった。机の上の本立てには教科書や辞書や小説なんかが並んでいた。
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- 00:57:01 二階に上ると彼女は僕を食卓に座らせc風呂をわかした。そのあいだ僕はやかんにお湯をわかしcお茶を入れた。そして風呂がわくまでc僕と緑は食卓で向いあってお茶を飲んだ。彼女は頬杖をついてしばらくじっと僕の顔を見ていた。時計のコツコツという音と冷蔵庫のサーモスタットが入ったり切れたりする音の他には何も聞こえなかった。時計はもう十二時近くを指していた。
二階に上ると彼女は僕を食卓に座らせc風呂をわかした。そのあいだ僕はやかんにお湯をわかしcお茶を入れた。そして風呂がわくまでc僕と緑は食卓で向いあってお茶を飲んだ。彼女は頬杖をついてしばらくじっと僕の顔を見ていた。時計のコツコツという音と冷蔵庫のサーモスタットが入ったり切れたりする音の他には何も聞こえなかった。時計はもう十二時近くを指していた。
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